OpenVPNで構成されたネットワーク(TUN)でrouteコマンドやipコマンドでスタティックルーティングを追加しようとすると、「SIOCADDRT: No such process」と表示され、ルーティングを追加することが出来ません。
OpenVPNでは、routeコマンドやipコマンドではなくOpenVPNの設定ファイルを変更してスタティックルーティングを追加します。手順は以下のとおりです。
なお、以下の各設定は、既にOpenVPNがルーティングモード(TUN)かつ証明書認証でVPN接続が可能な状態であることが前提となります。
クライアント→サーバ→別セグメントへのルーティング設定
サーバ側の/etc/openvpn/server.confに以下の記述を追加します。
以下は、192.168.10.0/24,192.168.20.0/24,192.168.30.0/24という別セグメントのネットワークがサーバ側に存在する場合の記述例となります。
push "route 192.168.10.0 255.255.255.0" push "route 192.168.20.0 255.255.255.0" push "route 192.168.30.0 255.255.255.0"
サーバ→クライアント→別セグメントへのルーティング設定
1.サーバ側の/etc/openvpn/server.confに以下の記述を追加します。
以下は、192.168.40.0/24という別セグメントのネットワークがexampleというコモンネーム(CN)のクライアント側に存在する場合の記述例となります。
client-config-dir ccd route 192.168.40.0 255.255.255.0
2./etc/openvpn/ccdディレクトリ以下に、接続元クライアントごとのルーティング設定ファイルを作成します。ccdディレクトリが無い場合は作成します。
なお、ファイル名はクライアントのcrtファイルに記述されたコモンネーム(CN)です。
(例:CN=example→exampleとします)
iroute 192.168.40.0 255.255.255.0