MacでMacOS環境とBOOTCAMP(Windows)環境を併用する際に困ることの1つとして、それぞれの環境間でのファイルのやりとりが挙げられます。それぞれのパーティションは参照できても、WindowsではNTFSフォーマットのパーティションしか書き込めず、MacではHFS+フォーマットのパーティションしか書き込めないためです。
これを解決する方法として、MacOS環境とBOOTCAMP環境で参照するためのパーティションを1つ用意して、exFATとFAT(FAT32)どちらかでフォーマットする方法が挙げられます。BOOTCAMP上のOSがWindows7の場合は、exFATフォーマットをお勧めします。
なお、exFAT形式によるパーティションのフォーマットは、MacOSのディスクユーティリティから行うことができます。
exFATとは?
exFAT (イーエックスファット、Extended FAT) は、Microsoftが主にフラッシュドライブ向けに開発したプロプライエタリなファイルシステムである。Windows Embedded CE 6.0で初めて導入され、デスクトップ向けにはWindows Vista SP1 で初めて導入された。 exFATは、NTFSがデータ構造のオーバーヘッドにより適切ではない用途に使用することができる。次世代のメモリーカード規格である「SDXCメモリーカード」や「メモリースティックXC」のファイルシステムに採用されている。
exFATのメリット
exFATのメリットとして、FAT32の欠点である1ファイル4GiB上限という制限がありますが、これがexFATでは制限が緩和され16EiBが上限となっている点が挙げられます。特に、1ファイル4GB以上が当たり前の仮想化環境のディスクイメージや動画ファイルのやり取りを行う上で非常に有用です。
exFATの欠点
exFATの欠点として、以下のものが挙げられますが、MacOSとBOOTCAMP間のデータ交換という意味ではさほど困ることはないでしょう。修復系のユーティリティもバックアップを確実に行っていれば使う必要はありませんし、パーティションの断片化が気になった場合は、システムを含むパーティションではないので、バックアップしてからパーティションをフォーマットしてリストアすれば良いでしょう。
- 対応するディスクユーティリティ系ソフトウェアがまだまだ少ない
- ファイル・ディスクの修復ユーティリティでも対応しているものとしていないものがある
- Dr.Recoveryは対応
- FinalDataは非対応
- その他ディスクユーティリティ(サードパーティ製デフラグツールなど)も非対応のものが多い
- ファイル・ディスクの修復ユーティリティでも対応しているものとしていないものがある
- WindowsXP(マイクロソフト公式ダウンロード センターから Windows XP 用の更新プログラム (KB955704) をダウンロード未適用のもの),SP1以上未適用のWindows Vistaではマウントできない
- Linux,FreeBSD等のOSではマウントできない
各フォーマットの比較
exFAT | FAT(FAT32) | NTFS | HFS(HFS+) | |
---|---|---|---|---|
1ファイルあたりの上限サイズ | 16EiB | 4EiB | 16EiB | 8EiB |
Windows対応 | 読み書き可能 | 読み書き可能 | 読み書き可能 | 読み込みのみ (※BOOTCAMPにおいて) |
MacOS (MacOSX) 対応 | 読み書き可能 | 読み書き可能 | 読み込みのみ | 読み書き可能 |
対応OS |
など |
など |
など |
Windowsのみで完結する環境の場合はNTFSフォーマットのみで解決してしまうのでexFATの利用シーンは少ないのですが、Macを利用していてBOOTCAMPを併用している場合はexFATは非常に有用ですので、WindowsとBOOTCAMP間のファイル交換の方法で悩まれている方は是非試してみてください。