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OneDrive for Businessがかなり使えるようになった(次世代クライアント提供開始)

2015/12/17にOneDrive for Business 次世代同期クライアントの提供が開始されました。

OneDrive for Businessのこれまでの同期クライアントは、動作が重い、同期が安定しない等の問題がありましたが、次世代同期クライアントは動作が軽くなり、また安定性も向上しています。

はっきり言って同期の安定性や動作の軽快さはこれまでの同期クライアントとは段違いです。メインのオンラインストレージはこれ1本でも良いと思いました。Dropbox Pro有料プランを検討していましたが、ここまで改善されれば必要ないなと。選択型同期もできるし、複数のOffice365アカウントのOneDrive for Businessの同時利用もできるし、もう言うことなしです。

これまで同期の不安定さや動作の重さに辟易してOneDrive for Businessの利用を控えていた方や、Dropbox Pro等の他のオンラインストレージの有料プランを利用していた方は、有料プランを解約してOneDrive for Businessに乗り換えても(出戻りしても)良いといえます。

OneDrive for Business 次世代同期クライアントのインストール方法は次の通りです。

なお、OneDrive for Businessの旧クライアントの問題点、新クライアントの特徴、今からOneDrive for Businessを利用するメリットもまとめましたので、あわせて参考としていただければ幸いです。

OneDrive for Business 次世代同期クライアントのインストール方法

OneDrive for Businessの同期クライアントは、OneDriveと共通のものを使用します。ただし、そのままではMicrosoft アカウントでのログオンしかできない(Office365 アカウントでログオンできない)ため、以下の手順でOffice365 アカウントでのログオンを有効化します。

Windows

1.こちらより、新しい OneDrive同期クライアントの Windows バージョンをダウンロードして、インストールします。
2.こちらより、展開パッケージをダウンロードし、その中のDefaultToBusinessFRE.reg を開いてから、EnableAddAccounts.reg を開きます。
3.OneDriveを開きます。
4.Office365アカウントでサインインできるようになります。

なお、Windows 8.1のみ同期クライアントが提供されていません。Windows 8.1の方はもうしばらく待つ必要があります。

詳細:

Mac

1.Mac App StoreからOneDriveをインストールします
2.ターミナルを起動し、以下の内容を入力します。

defaults write com.microsoft.OneDrive-mac DefaultToBusinessFRE -bool True
defaults write com.microsoft.OneDrive-mac EnableAddAccounts -bool True

3.OneDriveを開きます。
4.Office365アカウントでサインインできるようになります。


詳細:

従来のOneDrive for Businessの問題点

これまでのOneDrive for Businessは、提供されていた同期クライアントの問題により、次のような欠点がありました。

  • 同期が遅い、あるいは同期されていない
    • 特に、ファイル・フォルダ数が多くなると同期が極めて不安定になる
  • 同期クライアントの動作が重い
    • PC全体の動作にも影響を及ぼす(PCの利用に支障をきたす)ほど重い
  • ファイル数、1ファイルあたりの最大容量に制限があった
    • ファイル数は最大20,000ファイルまで
    • 1ファイルあたりの最大容量は2GBまで
  • 選択型同期ができない
  • 同期可能なアカウントは1つのみ

新しいOneDrive for Businessの特徴

新しい OneDrive for Business 同期クライアント (OneDrive for Business 次世代同期クライアント) は、動作および仕様が大幅に改善されました。

  • 同期クライアントの安定性が向上し、また動作も軽くなった
  • 最大同期アイテム数が無制限になった
  • 1ファイルあたりの最大容量が10GBになった
  • 選択型同期ができるようになった
  • 複数のアカウントに対応した
    • 会社用、プライベート用とか

詳細:

今からOneDrive for Businessを利用するメリット

まず、OneDrive for Businessをご存じない方は、以下のページを確認してください。
onedrive.live.com

OneDrive for Businessには次のメリットがあります。今回、同期クライアントの改善によって、これらのメリットが大きく生かされるようになったと感じています。

利用料金が安い

1人につき540円/月で容量1TBのオンラインストレージが利用できます。
DropboxのProプランは1,200円/月ですから、この価格は非常に魅力的です。
ちなみに、OneDrive for Businessは個人でも利用(契約)可能です。

転送速度が早い

Arch Linuxが配布している配布しているISOイメージ(691MB)を同期(アップロード)させたところ、Dropboxは同期完了までに約21分かかり、次世代同期クライアントを用いたOneDrive for Businessは約8分で完了しました。

安心の日本データセンターでの提供

日本データセンターから提供されるため、海外のサーバを利用するサービスと比較して転送速度や応答速度(レイテンシ)が高速であるというメリットがあります。

また、米国のパトリオット法(愛国者法)のような法律の影響を受けないという点もメリットです。
OneDrive for BusinessはOffice365におけるサービス(アプリケーション)の1つですが、日本データセンターにおけるOffice365のセキュリティに関して、マイクロソフトのWebサイト(下記)においては、次のように記しています。

3 つ目の脅威として、クラウド事業者が各国の政府や捜査機関などの要請に応じて企業データを提供してしまうのではないかといった懸念もある。Office 365 をはじめ、マイクロソフトでは「データはお客様のもの」を徹底しており、プライバシーやコンプライアンスの基準を順守したクラウド サービスを展開している。

また、個人情報保護法と並んでよく話題に上るのが、2001 年に発効した米国のパトリオット (愛国者) 法である。安全保障上、必要と判断されればクラウド上のデータを無条件で提供しなければならないと誤解している方も多いようだが、そういうことはない。マイクロソフトでは、預かっているデータは顧客のものであることから、データ提供の要請に対してまずは顧客に直接請求するよう政府機関に促している。また、たとえ政府機関からのデータ開示要求であったとしても、正当な理由や手続きを踏んでいない場合は、マイクロソフトは要求に応じることはない。正当な手続きに対してデータを提供する場合は、法的に禁止されていない限り、お客様に通知後に提供を行っている。なお、こうした手順は契約書の中にも明記している。

日本データセンターで Office 365 の提供開始! 安心して使えるマイクロソフトのクラウド & セキュリティ - セキュリティ戦略 - クラウド版 グループウェア サービス Office 365

※契約時期によってはデータセンターが日本ではなくシンガポールの場合があります。

Microsoftが提供しているサービスという安心感

OneDrive for Businessは、世界シェア、国内シェア首位のWindowsを提供する企業であるMicrosoftが運営するサービスであることは、ご存知の通りであると思います。

クラウドにデータを預ける上、サービスの使い勝手や容量、セキュリティ、データの保全性も重視される項目であるとは思いますが、最も重視されることは、サービスの継続性ではないでしょうか。特に、コストを掛けても良いので安心してデータを預けられるサービスを選びたいという方には、OneDrive for Businessは適していると思います。

利用者にとっては、これまで支えていたサービスが使えなくなってしまう、突然サービスが使えなくなってしまいクラウド上のデータが取り出せなくなってしまうというのは、最も懸念すべき問題です。

最近では、「Evernoteが従業員47人をレイオフ、拠点3ヶ所を閉鎖」というニュースがありました。サービスの利用に直ちに影響を受けるものではないと思いますが、サービスの継続性という点で気になるニュースでした。

Evernoteが従業員47人をレイオフ、 拠点3ヶ所を閉鎖、チームの強化・集中に取り組む - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

かつて、Evernote創業者のフィル・リービンは、「100年続く会社にする」と明言していましたが、今のEvernoteが100年続く企業になるのかは非常に疑問に感じています。

Evernote創業者フィル・リービン 100年間世界を変え続ける企業 | 月刊「事業構想」2013年8月号

話を戻しまして、OneDrive for BusinessはMicrosoftが運営するサービスということで安心感があります。世界的な大手ソフトウェアが提供している(いきなり会社がつぶれたり、突然サービスが終了したりすることが無いだろう)ということや、キラーアプリかつOfficeアプリケーションのデファクトスタンダードであるMicrosoft Officeがパッケージ売りからOffice365によるサブスクリプション型に販売方法をシフトしていることから、企業ユーザーからの継続的な収益が見込まれであろうということで、サービス継続性の面で安心感があります。

他社オンラインストレージとの使い分け

OneDrive for Businessは、サードパーティ製アプリ(PC,スマホ)の対応(連携)が弱いのが欠点です。
このような場合は、Dropbox等のサードパーティ製アプリ対応の充実したオンラインストレージを使うのがベストであると言えます。

また、OneDrive for Businessはファイル名の制限がやや厳しめです。具体的には、「" # % * : < > ? / \ |」が含まれていると、同期に失敗します。Linuxサーバからのバックアップや、ソースコードの管理においてこの制限に引っかかる場合がありますので、注意が必要です。

もし、Linuxサーバからのバックアップや、ソースコードの管理でオンラインストレージをつかいたいという場合は、Dropboxの方が良いかもしれません。Dropboxの場合、制限を受ける文字は「/ \」のみで、このような制限はありません。(ただし、OSにより問題となる文字は存在しますので、その点の注意は必要です)

参考:

OneDrive for Business1本に集約したいという方もいるかもしれませんが、無理に1本にせず、用途に応じた使い方も必要と言えます。